大将のひとりごと

初めてのまかないは、、、

慣れない厨房での仕事が形になるまでにはやはり時間がかかりました。そもそも、ブロッコリーと白菜、レタスがわからない状態の素人以下の私には、非常に厳しかった。料理学校出てれば何か違ったのかなと、悔やむ日々から始まっていきましたが、文字通りあたって砕けろ、その時は突然やってきました、、、

夜中に遅くまで仕事していると、時々、歳の近い先輩たちが鍋の練習をしていることがありました。決まって同じ2人の先輩でしたが、とても目つきがギラギラとして、仕事に熱心なお2人でした。ひとしきり仕込みも終わって、ヘトヘトでしたが、興味津々近づき見ていると、しっかり練習しとかなきゃ近いうち賄い作れって言われて、できません!なんてことになるよ。

優しさと厳しさの入り混じった言葉に、その日から一緒に練習させてもらうようにしました。まだ、5日目くらいのことでしたから、まぁ振れるわけもなく、ガタンガタンと音を立ててやってると、塩や濡れたダスターを練習してばかりじゃだめよ、なにか食材入れて振って練習したがいいとアドバイスをいただき、毎晩ゴミ捨て行く前に、ゴミ箱から切れっぱしをひらい、きれいに洗って振ってを繰り返しました。でもなかなか振れない、別の先輩にどうやって覚えたのか聞いたら、暇さえあれば、振ってるイメージを浮かばせたがいい、綺麗に振れてる自分の動作を想像するんよ。と聞いたので、実行。

練習を初めて1週間程経った頃、明日から賄い当番まわすから〜と声がかかりました。緊張感たっぷりでその日は寝れず、なにせ、まだ見習い2週間程、しかしその時は突然やってきました。

当日いつも先輩が賄いを作る時間、今日は誰だ?と副料理長の声がとびます、自分です!と声を出しましたが、3品作るルールなのに2品しか準備できてなく、まず、怒られます。

しょーがねーなー、俺隣で一品作るからと副料理長が鍋場を離れ冷蔵庫から食材を持ってきて、すごいスピードで仕込みます、早いのなんの、、、

準備が整い、よし大介来い!と言われ殺されるのかと言わんばかりの心境で失礼します!っと、隣に立ち初めての賄いをつくりました。2品が何を作ったのか、全く覚えてないです。

初回限定だぞーっと副料理長が作ってくれたのは、干炒米粉。焼きビーフンです。

いいかー、まずは、、、と口にしながら、作ってくれます、餃子の時にも話ましたが、作ってる目が違うんですよ、自信と心が溢れてるというか、今でも目に焼き付いていて、時々思いだします。

翌日から毎回賄いで作ってみたのですが、やはり到底及ばないどころではありませんでした。

うちは、いま、お客様からも見えるし、接客し、会話もしながらなので、なかなかホテルのようにそれだけに集中することはできませんが、忙しい時、疲れた時、思い出すようにしてます。

有名な料理人が、料理は心!と言っておられましたが、そこにありました。

地元が一緒で公私共に可愛がってくださった先輩が、いまはお前の料理はお金にならない、でも、いつか、お金を貰う時が来る、その時思い出せ、ホテルで1000円以上する炒飯。もし、パートに出たお母さんが一生懸命に働いて食べに来てくれたら、その炒飯を食べる為に何時間働くんだ?だから、必ず、最善をつくし、最高の美味しいを届けろよ。お金ではないが、いつも大切な人に作るつもりが大事だぞ。

ダラダラとなりそうな時、疲れて気持ちが落ちてる時は今でも励みになります。

技術や知識や経験でカバーできないものって必ずある。むしろ、その手前の話かもしれない。そして、最後の仕上げも、その目にあるんだと思う。

よし、気持ち入ってきた、今日も全力で頑張ります。

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