ただいまー!!おとさんは?
厨房におるやろー
学校が終わると、家に帰るのではなく、店に帰ることもしばしば、、、
帰ると厨房の父のもとへ行き、お店の若い見習いの方の手が空くのをまって、キャッチボールをしてもらうのが楽しみでした。
父はと言うと、厨房の片隅の畳の小上がりで、黙々と春巻きを巻いてます。
今思えば、1日100本〜200本を毎日、巻いてたのは、なかなかの脱帽です。
時々、包んだ春巻きを、揚げてくれて、ホレっ!とくれるのが、アツアツでしたが、おいしくて、キャッチボールが終わると、もらえるまで父の前に座りました。
とある日の宴会の料理の最後に、いわゆる大学いもを提供するため、デシャップ台いっぱいに、広げられた大学いも、ツヤツヤで美味しそうだったので、厨房の方が全員休憩室に行ってる隙に、1つ食べてみました。
衝撃、、、、、
う、う、うまい、、、、
気がつくと、もう一つ手にもってました。
う、う、うまい、、、 こんなん、なんぼあってもいいですからね〜、、、、
もう一つ、、、、
さらに、ひとつ、、、 もう一個でやめとこうかな〜と思った時、背中に、熱い視線が、、、
身長185センチを超える大男、、、
父ちゃんでした、、
コラッ!!誰が食べていいって言うたか!!
ごめんなさい、、、
全員に謝れ!!
ごめんなさい!!
大丈夫よ、少し余計につくってあるけん!
若いスタッフが慰めてくれますが、本当は足りなくて、慌てて作り足してました。
そのあと、反省しながら、父の春巻きの作業の前に座りました。バツが悪く、そこにあった、アロンアルファをいじってたら、、、
ピュッ、、、タラ〜、、、
あらら、、、これ開いてるの?指につくのを回避しようとすると、床の絨毯におちました、、、 シュ〜ッ!!かすかな煙があがり、絨毯が溶けたようになりました。
子供ながらに、、、これはまずいやろ!!
またやられる!!と思ったときには、遅し!!
なんしよっとか!!
また、大目玉です!!
その後、母親が厨房に顔出したのを機に、連行されました。
災難は、続きましたが、縁あって父と同じ仕事に就き春巻きを巻くたびに、思い出します。
あの時の春巻きの味は、ずっと忘れていません。でも、俺の春巻きも、負けてないなと、最近思えるようになりました。
近いうち、長崎まで手土産にして帰ってみようかな。