こんなの、飯のおかずにならんやろ?なぁ?
今日は、賄い当番!!
もう3日は考えて当日をむかえます。
すみません、山査片もらっていいですか?
酢と、、、醤油と、、砂糖、、、
夜9時ごろの賄いの準備を14時ごろから、隙をみて準備していきます。
大介!何作るの?
今日は酢豚と米粉(ビーフン)と、、、 あと一品どうしようかな?と言うところです。
そっか、一品おれ作るから2つでいいよ!
そう声かけられたので、2つしっかり準備しなくちゃ!と意気込んでるところでした。
基本的に3品作るのが、暗黙の了解でした。
おっ?賄い当番や?
1番公私において、面倒見てくれる、超長崎弁のTさんに、声かけられました。
はい!
自信はないのですが、なんでもハキハキと答えるのがモットーですので、、、
わい不味かったらくらすけんな?
(おまえ、美味しくなかったら、殴るぞ?)
任せてください!!
そう答えて、、、
数時間後、、、
いただきまーす。
料理長の声の後に、全員が
いただきます!
料理長が箸をつけてない皿に、先に手をつけるのは、ご法度です。
1番下の私は、全ての先輩が、手をつけてから、改めて、
いただきます!
手を出そうとしたその時、、、
林!酢豚が飯になる?
こういうのが飯に合うか?
えっ?もう少し考えろよ。
厳しい言葉が、料理長からかけられました。
伸ばしかけた手をもどし、直立で聴きます。
他の先輩方は、普通に食べてます。
酢豚定食ってあるよね?なかったかね?
街のラーメン屋さん的なところに、、、
そんなことを考えてたら、料理長はサッと、その場を離れて、あとたのんどくね〜と、帰っていきました。
料理長が帰った後、、、
しばらく沈黙、、、
副料理長のKさんが、口を開きました。
まっ、合わない人もいるってことだよ。
あっ、、、はい。
なんか、少し腑に落ちないというか、、、
それから20年以上の時を経て、携帯が鳴りました、見ない番号からです。
転送にしてるため、お店にかかってきたのか?と思って、運転中の為、嫁に出てもらいました。すると、私の顔をみて、Kさんという方からよ?と、車を停めて、かわりました。
もしもし、、、?
あっ?大介??ハウステンボスの全日空時代にお世話になりました、Kですけど、、、
えっ?Kさんですか?
お久しぶりです!お元気ですか?
おー、大介かー。元気だよー、それより、お前、博多でお店やってるんだってなー、なんの、お祝いも言葉もなくて、本当に申し訳なかった!!すまない!!
それから、1時間ほど、話しました。
そして、あの日のことを振り返りながら、
あの酢豚は、美味かったんだよ、俺が、忘れてないんだからそれが証明してるよ。
ありがとうございます。
懐かしくもあり、古臭くなくて、いいんだよアレで、沢山の人に食べて貰えよ、コロナが落ち着いたら、俺も顔だすから、俺にも作ってくれよ!
そんな言葉をかけられて、先に部屋に戻った嫁の居なくなった車のなかで、涙が溢れそうでした。
しこたま厳しく、無視もされた事もあったけど、沢山の美味しいの感動を教えてくれたKさんでしたので、時が経ち、少し成長した自分を見てもらいたいという気持ちもでてきました。
苦い思い出も、いつか、自分のエネルギーにかわる!
電話の先に居た先輩に、近いうちに会いにいきます。