大将のひとりごと

美談ばかりではありません、、、

沢山の失敗をしました。これまでの失敗の中でも群を抜いて、当時の仲間と話すとき笑われるのは、、、遅刻した日のことです。

見習いだった私は出勤は当然一番のり、退勤は当然一番最後、当時は平日の通常で7時入り、帰りが3時、つまり何もなくても20時間ほど就業してるのは普通でした。婚礼や宴会が重なると寝ない帰らないというスタイル。同じ時代のコックさんならわかるのでしょうが、異常です。

そんな毎日の中でのある日、ふと起きると12時!! ヤバイなんてものじゃありません。慌てて連絡を入れて猛ダッシュ!!厨房に着くとシーンとした空気はいつものことですが、こんな時は余計に静かに感じます。10人程いる先輩に一人ずつ謝ります。その日は、休憩などありません、一人残らず先輩が帰るまで座ることもなくひたすらはたらきます。そこに、厨房を出たはずの副料理長が、林 いつものとこな!っとニヤッと笑って去っていきます。すぐ、行きます!そう言って急いで仕事して片付けていつものところへ、赤ちょうちんの居酒屋さん、当然お付き合いさせて頂き飲みます、緊張で1ミリも酔いません。帰り際に明日は遅刻すんなよ!と言い残し帰って行かれました。

そして翌日目が覚めると、あっ!!13時!!流石に消えてなくなりたかった、慌てて厨房へ、息を切らし謝ります。昨夜の先輩は仕込みしながら、しっかりしろよ!あっ💢と喝を入れてくださり昨日同様にその日を過ごします。

帰って行く先輩方にお疲れ様でした!今日はご迷惑をおかけしてすみませんでした!っと今日一の声だし。その中に通り過ぎて行く副料理長が足を止めて私を見て、林 今日も行っちゃうか?と、いえ、ご迷惑をおかけしたので反省して仕事します!と言い切りましたが、な〜に言ってんだよ〜 明日の遅刻が心配なだけだろ!待ってるぞ〜と言って帰られました。

当然また 赤ちょうちんへ走ります。

お疲れ様です、遅くなりました。と言い席に座り沢山の話をしました。普段聞けないことを沢山質問できるので、実のところ大切な時間です。

感の良いかたならお判りでしょうが、、、

そうです 翌日目を覚ますと 13時….

ダッシュで向かいます

副料理長は焼売を握ってました、、、とその焼売が、、、飛んできたのです! 何やってんだ!元高校球児の副料理長の投げた焼売はストレート、、がしかし わたしも元野球部、、さっとかわしてしまい さらにもう一個 しかし またかわしてしまいました。こっぴどく怒られました。

1週間ほどして、また飲みにいきました。

あれで、逃げ出したらそれまで、でも、逃げ出さなかったから、今があって明日がある。だから未来があるんだよ!そう言ってべろべろになって楽しくお酒を飲んでくれました。

この様子を常に同席して全て見てた当時の仲間は今、〇〇ホテルの料理長になられました。

今でも 良い笑い話です。

若いコックさん!遅刻で逃げ出すな!

 

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